乳児に多いのは肛門の周りの皮膚が部分的に赤く、硬く腫れる肛門周囲膿瘍です。排膿処置は必要ですが自然治癒することもあります。治療に協力いただける年齢まで待って根治手術をする場合もあります。
幼児は便秘になりやすいです。皮膚が弱いため切れやすいので大きくて硬い便を排泄しますと裂肛(きれ痔)が簡単にできます。裂肛は痛みが強いので排便を我慢するようになります。そうすると更に大きな硬い便が貯留しても感じず気づいた時には出せなくなります(糞便塞栓)。ここで下剤を飲むと大きな硬い便塊は出ずに上流の軟らかくなった便だけが流出し漏れ出します(溢流性便失禁)。この病態は下着に便が付着して判明します。この時に「お漏らし」を叱責することは逆効果です。その他、幼児は精神的にデリケートですので些細なことで便秘になり易いので家庭環境も影響します。
小さなお子さんの排便は訴えを待つのではなく(子供任せにせず)、大人が管理しなければなりません。元来、子供には排便教育を行うべきですが行われていないのが実状です。例えば排泄が「必要であること」ということから教え、子供だけの生理機能でなく大人と同じであることを伝えなければなりません。また、大人がゴールラインと考えている「トイレで排泄」を急いではなりません。「上の子供はすんなりいったのに。」や「お友達の○○ちゃんはもうトイレでできているのに。」などという考えは良くありません。個々のお子さんで習得のスピードが違うことを忘れてはなりません。トイレ環境なども含め誤った指導をされていることも少なくありませんので一度ご相談 ください。女性医師による診察も行っております(毎週水曜日午前)。