内科・外科・整形外科・大腸肛門科・炎症性腸疾患(IBD)・便秘・内視鏡検査なら大阪寝屋川の道仁病院|執筆論文解説7 やっかいな肛門皮膚感染症(膿皮症)|院長ブログ

オンライン順番受付

072-827-1951

文字サイズ
標準

メニュー

病院長ブログ

2022.12.03

執筆論文解説7 やっかいな肛門皮膚感染症(膿皮症)

 難治性で臨床医を困らせる臀部(慢性)膿皮症に対する外科治療の成績に関する後方視的に調査した2004年の投稿論文です。臀部慢性膿皮は慢性化膿性汗腺炎ともいわれ、肛門周囲の皮膚に無数の穴が開き、膿汁が流出する厄介な慢性炎症性毛包疾患です。膿皮症は外科学的定義、皮膚科学的定義、病理学的定義に少し乖離があるので注意が必要です。

 対象は18例で病悩期間は平均17年で10年以上が22%、痔瘻の合併は28%、手術回数は平均5回でした。肛門周囲の炎症が強いため組織が固くなり便失禁を起こす症例もありました。手術は有棘細胞癌の発生母地になり得るので開放術だけでなくある程度の膿皮切除も必要です。