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病院長ブログ

2023.10.21

執筆論文解説36 やっかいな肛門皮膚感染症(膿皮症)2

 

2013年投稿論文で臀部慢性膿皮症の第二弾です。前回は2004年に投稿しています(執筆論文解説⑦)。今回は別施設で5年間に経験した17例です。

 対象は17例で全例男性でした。年齢は25-62(中央値46)歳で30代が最多でした。病悩期間は「1-9年」が最多で10年以上は6例(35%)でした。瘻孔数は10個以上が71%で手術が1回で済んだのは12例(71%)でした。逆に考えると1回で済まなかったのは5例(29%)です。痔瘻合併は5例(29%)でした。痔瘻の合併頻度は前論文とほぼ同じでしたので妥当な頻度と考えています。手術は膿皮切除とde-loofing(図)の組み合わせたものが基本で痔瘻が合併していればその痔瘻に準じた術式を付加しています。ただし傷跡は大きく残るため美容面では課題が残ります。最近ではInfliximabやAdalimumabなどの生物学的製剤が使われるようになっています。Adalimumabは本邦でも保険適応になっています。