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病院長ブログ

2024.07.13

執筆論文解説47 ガイドラインに則った慢性便秘症の対応

 例の羊土社さんからの内科系商業雑誌からの依頼原稿です。「便秘の薬物治療」がその主旨でしたが便秘の薬物治療は一筋縄では行きませんので今回は分類と診断が大切と考えて骨子とさせて頂きました。といっても「慢性便秘症診療ガイドライン2017」の解説です。さすが羊土社さんで図表はきれいなカラー刷りにして頂きました。

 図2は排便に関係する加齢による変化です。前後しますが図7は便の形状を表す国際的な分類です。「硬い」、「軟らかい」などは個人の主観によるものが大きいので曖昧です。このような図で示す方が患者-医師間の共通の認識として双方の理解が可能となります。図3、図4はガイドラインからの分類を一部変えて載せています。本ガイドラインの最大の功績は直腸肛門にまつわる慢性便秘を「便排出障害」と命名したことであると言っても過言ではありません。このことによりより慢性便秘症の理解がしやすくなりました。ただ便排出障害の診断は難しく機能性消化管障害Roma分類では表1の様に規定されています。専門的な検査が必要です(図5、6)。病態を無視した投薬では症状は改善しないこともある事を内科系医師に知っていただきたいです。