2024.05.11
狭窄型の慢性裂肛に対する本術式は肛門を広げることが目的ではありません。元は痔核術後の狭窄にたいする術式(Carmel)でした。本邦では慢性裂肛に行われるようになったのです。肛門の緊張を軽減することが目的です。よって広げ過ぎてはならないのです。しかし術中にその尺度となるのは肛門径しかないため拡張度に注目して後ろ向きに検討しました。その結果ガス失禁や便失禁を術後に呈する症例は女性で130%、男性で140%拡張がボーダーラインと考えられました。私たちは以後この数字をメルクマールとして利用するようにしています。